HABU式写真講座


「空を撮っているのですが思うような色が出ない」
という質問もよくいただきます。
そこで僕が普段撮っているやり方を簡単に説明しようと思います。


空や雲をメインに撮る僕にとって色々試した結果、
一眼レフカメラ+リバーサルフィルムがベストという結論になりました。
リバーサルフィルムはスライド上映などに使うフィルムで、
印刷原稿として優れ、発色が豊かです。


一番多い質問が、「ネガフィルムで空を撮るのですが、思うような色が出ない」。
多くの場合、撮影した空の情報はきちんとネガに焼き付いているのですが、
プリントの際、お店の機械焼きなどでは人の肌に合わせた平均値的明るさで
プリントを作るため、空はモヤッと写るのです。
自分でプリントすればその辺りの調整も可能なはずです。
が、手元にそんな機械もない。


デジタルカメラはその場で見られて便利ですが、あとで修正がきいたり
失敗はその場で消したりと、経験値がなかなか増えていかないのです。
実際にデジタルカメラは使っていないので詳しいことは言えませんが、
見た通りの空の色を出すには、空を青くしたり、雲とのコントラストを
強調するなど、撮影後の画像処理をした方が良いようです。


そこで、リバーサルフィルムです。
このフィルムは、撮影する時が全てです。
明るめとか暗めとか、フィルターによる色調整なども、撮影時に自分の意志で
決定しなくてはいけません。
撮って、現像して、それが完成品。シンプルです。
あとで色調整して、コントラストを強くなんてことは、基本的に出来ません。
その時の光の状態を読んで、露出を補正して明るさを決めなくてはいけないので、
ある程度、経験が必要です。
最近のカメラは賢いので、かなりレベルの高い所まで決定してくれます。


露出をきちんと設定すれば、見たままの空の色、光のコントラスト、グラデーション
が写ります。
露出を一段間違えば、真っ暗か、明る過ぎのすっ飛んだ写真になります。
露出の決定の仕方を身につけることは、リバーサルフィルムで撮る場合、必修です。


でも、プログラムオートやAEがついているカメラなら、カメラ任せで5〜6割は
上手く撮れるんじゃないでしょうか。
その先は露出補正といって、経験によって2分の一のプラスとか3分の2マイナス
とか細かい調整になるのですが、それがなかなか上手くいかなかないというのも
写真の楽しみの一つです。


日本のようにコントラストが弱い空の場合、PL(偏光)フィルターは雲の撮影に
威力ありです。
サングラスをかけて空を見るようなもので、雲がはっきり、空が青々と写ります。
ただし、限られた光の状態でしか力を発揮しません。
また暗くなる、シャッタースピードが遅くなる、ブレるという危険性が出てきます。
レンズの焦点距離にもよりますが、シャッタースピードが60分の一を切ったら
ブレると思って、三脚を使うことをお薦めします。


画面に白い雲が多い時など、カメラの指示通り撮ると暗い写真になります。
これはカメラの露出計が白いものをグレーに判断する特性があるからです。
真っ白い雪景色などでも、同じ現象が起きます。
そんな時は雲以外の所で露出を計って決定するか、プラス(明るめ)に露出補正します。
この辺は経験がものを言うので、失敗してもその悔しさを次につなげることです。


とにかく一眼レフをお持ちの方は、ISO100のリバーサルフィルムを使ってみて下さい。
映写機で壁一面に映写して見るのは、その場にいるような臨場感がして最高です。
傑作が出来たら、ダイレクトプリントで紙焼きにしても楽しめます。
スキャナがあればデジタルデータにも出来ますし、プリンターでの出力も可能です。


フィルムカメラは衰退しつつありますが、風景写真の現場ではまだまだ中心にあります。
リバーサルフィルムでしか味わえない、独特の美しさ、感動を一度体験してみて下さい。



2005年4月2日

HABU